福岡県糸島市 司法書士 ブログ

勉強時間

司法書士試験合格には3000時間?

「一念発起して合格されたんですね?」

「やはり3000時間の勉強をこなされたんですか?」

合格直後にこういうお尋ねを受けました。

答えはいずれも“No”です。

一念発起したことは生まれてこのかた一度もありません。

これまでの記事にも書きましたが,私は冷めた人間です。

勉強の3000時間という計り方がどういうものかもよくわかりません。

司法書士試験の受験生は皆8時間/日で勉強しているといわれています。

この8時間の内容はどういうものなのか?

よくわからないのです。

そもそも勉強時間を勉強量と考えることは正しくないのではないかと思うのですが。

何時間勉強しましたか?

小学校5,6年生のときの担任教師が毎日のように尋ねていました。

「昨日は何時間勉強しましたか?」

「1時間の人」・・・というように挙手を求めるのです。

私はいつも「45分」と答えていました。授業時間1コマと同じにしていたのです。

では,実際はどうだったか?

これがよくわからないのです。

教科書を読んで面白ければ,それを続けるし問題演習もやってみます。

算数などはゲームのように次々と先の単元もやってしまいます。

国語の場合は,面白い作品だと原作そのものを読んでみます。

理科の実験が可能であれば,自分でやったりもしました。

社会に至っては,世界各国の気候や産物を調べるのが面白く,延々とそれをやりました。

大学ノート2冊くらいに整理して中学校卒業まで「参考書」として使いました。

これらを私は勉強時間にカウントしていません。

なぜなら遊び感覚でやっていて,「強いて」「勉め」ていたわけではないからです。

土曜日の午後から日曜日をこういうことに費やしたこともあります。

その一方で,友達とソフトボールばかりしたこともあります。

これは体育の勉強だったということになるような気がします。

でも誰も勉強時間にはカウントしなかったはずです。

おそらく,世間一般の感覚としての勉強であるか否かの基準は

「遊びたいのをガマンして机について鉛筆を握っているかどうか」

のような気がします。

本当に学んでいるか?

では,机について鉛筆を握っていれば,学んでいることになるのでしょうか?

本試験の会場では,最後の知識確認を行っている受験生が多数存在します。

その中にお手製の「判例カード」を持っている人がいました。

綺麗に色分けされて印刷されたものです。4色くらいは使ってあったと思います。

チラリと見ただけでも作る手間が相当かかったと思われました。

でも,その人は少なくとも同期での合格者にはなっていません。

こういう判例カードや一文字の誤りもない綺麗なノートを「作る」ことは勉強でしょうか?

たしかに内容を整理するまでは勉強だと思います。

しかし,デザインしたり或いはレイアウトを検討し,それをパソコンで作成する時間は?

おそらく「作業時間」でしかないはずです。

高校受験や大学受験を控えた生徒が参考書や辞典にインデックスを丁寧に貼るのも同じです。

これらは作業でしかありません。

その作業時間を学びに充てる方が合格には有効であるように思います。

ノートなど書き直しや二重線で消した痕がある方が使えます。

自分の誤解の原因とその克服過程を確認でき,理解が確固たるものになるからです。

綺麗に整理されたものは必要ありません。

日常の学び

勉強という言葉は「机について鉛筆を握っている」状態の評価という印象が強いです。

でも机についていなくても学ぶことはできます。

私などは蝶の生態にかんしては,図鑑の詳しい解説以上に蝶そのものから教えてもらいます。

メス個体を観察していると,かなりの知見を得られます。

それらは既に知られているものが多いのですが,ときに新たな知見を得ることもあります。

その経験を積み重ね,観察眼が養われると,それまで気づかなかったことにも気づくようになります。

テレビのドキュメンタリー番組をみていて,映像から当時の思想・文化を知る機会も多々あります。

おそらく高校生なら近現代史の知識として持っておくと受験にも役立つだろうと思います。

こういった学びのきっかけは周囲にゴロゴロ転がっているように思います。

こういった学びの時間をどうカウントすべきでしょう?

難しい本を・・・

私が趣味で読んでいる本をみて

「難しい本を読んでいますね,いつもそうやって勉強しているのですか?」

と尋ねた人がいますが,私には勉強という感覚はありません。

そもそも,その本が難しいかどうかは読む本人次第です。

読んでいない人が「難しい」ということ自体がかなり「難しい」話です。

一方で,私がもっているDVDのタイトルをみて

「こんな映画が好きなのですか?」

と呆れ顔になった人もいます。

「こんな映画」とは失礼すぎる。

内容は人間関係等の学びに満ちた奥深いものなのに。

これもまた個人の感覚の問題なのであります。

★ ここ数年で「難しそうな本」と人にいわれたものを思い出して並べてみました。

  「猫に学ぶ」は出版されたばかりです。

 年末年始におススメの「こんな映画」です。

         寒さが吹き飛ぶ熱い作品です。

       いずれも松方弘樹渡瀬恒彦

               この2人が組むと画面から異様な熱気が伝わる作品が生まれます。

 両作品に共通する出演者は辰兄ぃ,成田三樹夫さんに室田日出男さん。

  優柔不断な組長役がはまる織本順吉さんも。

  前者にはマイトガイ旭が,後者には千葉真一さんが出ています。

    「沖縄やくざ戦争」で千葉真一さんが登場する場面は見ごたえがあります。

  地井武男さんの狡猾なやくざぶりも見事です。

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