世の中ではなにかというと「偏差値」で価値を決める傾向があります。
偏差値については色々な思い出がありますが,概ね失笑するような話ばかりです。
エピソード1
中3のときに近所のおばさんに偏差値を尋ねられました。
真面目に直近の試験(懐かしのフクトの試験)で出た数値を答えると,
「試験の点数じゃないのよ。偏差値よ,わかる?」
と言われました。同じ答えを繰り返しましたが,
「偏差値のことは知っておいたほうがいいわよ」
というお言葉を頂戴しました。その後に「〇〇高校には合格できそうなの?」と言われたので,
その高校を受験しないと答えたところ,「じゃあ◆◆商業ね」と言われました。
〇〇高校よりは試験の点数が低めでも合格する◆◆商業を挙げる発想にはなんとなく納得できました。
同じ経験を別のおばさんとの会話でもしましたので。
人は他人を低めにみたがる傾向があるのです。
エピソード2
幾つかの大学に合格し,入学する大学を選択する基準が偏差値の高低という友人がいました。
その人は受験する大学の選択も偏差値の高低で決めていました。
▲▲大学なら経済学部,■■大学なら文学部というように,各大学の偏差値が高い学部を選んでいるのです。
何を学びたいかではなく,ある模試を受験した高校生や浪人生の人気投票のようなものが選択基準?
私には考えられない基準ですが,こういう人は決して少なくありません。
そして,そういう人たちは入学後に勉強しません(それでも卒業できてしまうのですが)。
エピソード3
「司法書士試験は偏差値が高いですよね?」と言われたことがあります。
意味がわかりませんでした。
言った人によると「資格偏差値ランキング」なるものがあるそうで,司法書士は上位に位置づけられているそうです。
たしかめてみたところ,現実に存在しました(https://shikaku-fan.net/rank.php)。
試験科目や試験内容が異なる各資格を同じ基準で判定できるわけがありません。
そもそもどういう数値を使ってこの「偏差値」を出したのでしょうか?
偏差値に振り回される人々
以上からわかるのは,多くの人が「偏差値」が何であるかを知らずにそれに振り回されているということです。
そして,この数値で他人を評価したい或いは他人からの評価を受けたいという気持ちを持っているのです。
偏差値など上記のように受験者による人気投票的な側面が強く,テキトーに参照する程度のモノに過ぎません。
それがいつの間にやら人の価値を決める基準のようになっていて,気味悪さとバカバカしさを感じます。