不倫は犯罪か？
千葉ロッテマリーンズの清田選手の不倫問題が発覚しました。
清田選手の不倫問題は二度目であり，最初の問題発覚に対する謹慎処分が解け，
その直後に二度目の問題を起こしたというものです。
「しょうがないなぁ」
とは思いましたが，マリーンズが清田選手を解雇するとは思いませんでした。
ファンの声も概ね清田選手を責めるもので占められています。これも意外でした。
二度とNPBではプレーできないだろうといわれていますが，なぜなのか？
不倫は犯罪ではありません。単に夫婦間のモラル違反というだけです。
つまり，清田選手を責めるべきは彼の妻と子供の役割です。
家庭内のモラル違反で社会的に抹殺されるというのはちょっとひどすぎないでしょうか？
選手は弱い立場
もしかすると，一度目の不倫問題が発覚した際に，清田選手は球団に対し
「次に同じことをやったらクビにされても文句を言いません」
という趣旨の念書を差し入れたのかもしれません。
しかし，この種の念書の有効性には疑問があります。
球団が優越的地位を利用して清田選手を追い込んだ可能性があるからです。
立場が弱い個人事業主であるプロ野球選手としては，球団に絞られたら白旗を掲げるしかありません。
野球しか知らない，社会に放り出されたら右も左もわからないという人も多いといわれている世界です。
球団に切られたら生きていけない―こう感じれば，不利な条件でも呑んでしまうでしょう。
契約違反の問題が生じたとしても，清田選手は争える可能性が十分にあると思います。
当初にこう思っていたら，その後にネットニュースである弁護士も同じ点を指摘していました。
弁護士である橋下徹元大阪府知事も球団の対応に問題がないとはいえない旨の発言をしています。
今後の推移に注目したところです。
世間の反応
世間では，正義の旗をふりかざして清田選手を責め立てる声が溢れているようです。
特にネット上では清田叩きが凄いことになっていて，森元首相の発言と同じように
「集団いじめ」の様相を呈しています。
世間の皆さんは，そんなに聖人君子のような生き方をしているのでしょうか？
他人の失敗をみつけるや，ここぞとばかりに責め立て，社会から排除しようとするのはなぜでしょう？
私は，最近のこういう傾向に気味悪さを感じています。
たしかに清田選手のやったことは褒められたものではありません。
しかし，清田選手が情事にかまけて野球をサボったわけではありません。
況して，清田選手にかんしては，性依存症の可能性まで指摘されています。
病人（かもしれない人）を叩くというのはいかがなものでしょう？
せめて病気がどうかがはっきりするまで待てないのでしょうか？
なぜ清田叩き？
かつて，不倫問題を暴力団関係者にネタとして握られ，恐喝されたプロ野球人がいます。
球団に知らせずに1億円を払ったそうですが，雑誌に暴かれてしまいました。
しかし，その人は今も監督として活躍を続けており，名将とまで呼ばれています。
問題発覚時も今回の清田選手のような叩かれ方はしませんでした。
「名将」は選手として1675安打，382本塁打，1093打点で打率2割7分9厘。
14シーズンの監督生活でリーグ優勝9回，日本シリーズ制覇3回です。
清田選手は今のところ716安打，58本塁打，333打点で打率2割5分8厘。
ということは，清田選手は叩きやすいクラスだったということかもしれません。
だとすれば，明らかな差別ですね。
あるいは，誰かを叩くことで何かしらの安心感やカタルシスを覚える。
そういう気分が蔓延しているのかもしれません。
やれやれ，不健康な世の中になったものです。