福岡県糸島市 司法書士 ブログ

メディカルカウンセリング力

心疾患?

先日の未明のことでした。

級に心臓の拍動が激しくなり、眩暈を覚えました。

ちょうど父が狭心症を発症した年齢に達した私は、慌てました。

救急車に出動をお願いしたのです。

到着までは5分程度でした。

救急車の中で心電図検査を受けました。

救急隊の判断は「かなり落ち着いてきている状態」とのことでした。

救急搬送までは必要なさそうなので、夜明け後に専門医を受診することでいい。

こういわれて、多少安心しました。

夜が明けて、医療機関が診察を開始する時間になりました。

私は、以前から風邪をひいた際に治療を受けた病院に行きました。

受付で症状を話します。

次に、看護師さんに予診のような形でまた症状を伝えます。

採血、心電図と検査を行い、X線撮影を終えて診察室へ。

医師は、私とは目を合わせません。

私の愁訴に不満をみせるのです。

「動悸が激しくなり、喉元に強い圧迫感を感じた」

それがどのくらい継続したかなどの質問を受けました。

私が答えている最中に遮って、心筋梗塞の可能性を示唆します。

心電図の波形に特殊な形状が出ている、と。

そして、血液検査の結果をみる限りでは、ここ3、4日の間には起きていないだろうというのです。

結論は、よくわからないので、大きな医療機関で診察を受けるように、というものでした。

紹介状を受け取っただけでなく、さらに次の「発作」に備えてニトロまで処方されました。

ここまでで、私はかなり心配になりました。

心臓疾患であることは間違いなさそうです。

ただ、面白いことに超音波検査を実施しなかったのです。

超音波検査なしに、心疾患であると診断するものなのか?

しかも、医師としての見解は特に示していない。

なのに、ニトロの処方?

これはおかしい。

 

セカンドオピニオン

こういう場合はセカンドオピニオンを得るべきだろう。

医師の診断姿勢や、症状を受付や看護師に伝えても医師に伝わらない態勢などヘンな印象でした。

たまたまリニューアルして心臓専門を掲げた医療機関があることを思い出したのです。

早速受診しました。

最初の医療機関同様に、心電図・血液検査・X線撮影と進みます。

医師の診察段階に入りました。

医師は私の目を見て、身振り手振りを交えながら説明してくれました。

私の愁訴は医師に伝わっており、医師としてまず心肥大がないことを数値で示しました。

次に、心電図には特殊な波形がみられることを指摘されました。

ここで、過去に人間ドック等で心電図について何か指摘を受けたかを問われます。

私は指摘を受けたことがなかったので、その旨を答えました。

「たぶん問題はないと思う」

とのことでした。

しかし、自覚症状のない心筋梗塞が起きていた可能性を完全否定はできないというのです。

医師は、超音波検査を勧めました。

勿論、異存はありません。

その結果として、心臓の動きは正常であり、過去に心筋梗塞を起こした形跡もないようでした。

パソコンのディスプレイの中では私の心臓が規則正しく動いていました。

「まず問題はないが、未明の発症時の心電図をみておくのが最良」

という話になり、これは救急隊にデータがあるかどうかを確認することになりました。

「血液検査の結果についてはすべてのデータが揃い次第、改めて説明する」

ということで、「まず心配ないから安心してくれ」といわれました。

心電図の波形については、「たぶん」という前置きをつけて

「そういう波形だということだろう」

という結論です。

結果は、原因は明らかではないが、疲労等による「頻脈」ということでした。

カウンセリングの差

ここまで読んでいただければ、2人の医師の差は明らかでしょう。

一方の医師は、可能な検査をすべてやるわけではなく、患者の愁訴に耳を傾けることもない。

他方は、患者に向き合って検査を十分に行い、さらに慎重なチェックまで考えている。

こういうカウンセリングの能力については我々に関しても話題になります。

福岡県司法書士会では青年会が「リーガルカウンセリング研修」を実施しています。

カウンセリングは仕事の基本であり、第一歩です。

この部分を磨くのは、司法書士や弁護士では当然なのです。

臨床医も同様ではないでしょうか?

患者の愁訴が正確な診断を支える最初の情報です。

それを雑に扱うようでは・・・

紹介状をもらったものの、「大きな病院」を受診する必要はなくなりました。

 「白い巨塔」(1978年)で丁寧な診察をする里見助教授(山本學さん)

  「検査を重ね、その正確なデータが診断の基礎になる」というセリフが里見医師の人間性を表していました。

付 記

救急車に乗ったのは初めてでした。

救急隊の方々は真摯に対応して下さり、感謝しています。

残念なことに(?)、救急車での走行を経験することはできませんでした。

雨上がりの未明の時間に・・・♪こんな夜に 発車できないなんて~♪

と笑える結末になったのが幸いでした。

本件は、カウンセリング力の必要性を痛感させられる出来事でした。

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