NHK-BSのドラマ「グレースの履歴」を視聴しました。
尾野真千子さんが持ち味を発揮している作品で、今後の展開が楽しみです。
夫役の滝藤賢一さんはいつもの滝藤さんぶりでドラマを牽引してくれるでしょう。
さて、リアリティという点で・・・
石橋蓮司さん演ずる弁護士が尾野さんの遺言書を滝藤さんに渡すのです。
その場で開封するようにオープナーを添えて。
ということは、公正証書遺言だな、そこまで準備していたのか。
と思ったら、自筆証書遺言でした。
弁護士が、自筆証書遺言を家庭裁判所の検認なしに開封?
おいおい、と突っ込みたくなるシーンです。
さらに内容が、「預貯金を夫に贈与する」といった言葉が並んでいました。
仮にも弁護士が関与して作成された遺言書であれば、これはありません。
「相続させる」と書かせます。
妹に対しても衣服などを「贈与する」という表現でしたが、これは「遺贈する」が正しい。
尾野さん本人が書いたのであれば、素人ゆえに仕方がありません。
しかし、蓮司弁護士が関与したとなれば、かなりヘンです。
いきなり開封というあたりから怪しかったのですが。
原作・脚本・演出は源孝志さん。
法律的な面での調査がかなり不足している印象ではありますが・・・
ドラマそのものは面白そうです。
この辺の「不備」を封印するだけの厚みを感じる作品でした。
それにしても・・・今年82歳を迎える蓮司さんに頼るドラマ・映画が多い。
お元気そうなので嬉しいものの、そこまで脇役が枯渇しているのか・・・
とちょっと複雑な気分です。