自動車が停止中のバスに追突!
とはいえ,バスの運転手も客も誰も気づかなかったのです。
「加害者」はバスの運転手に「ぶつかってしまい申し訳ない」と謝罪。
車体に破損がないので損害賠償請求はしない。
これがバス会社が出した結論でした。
ところが・・・「クビが痛い」と言い出した人がいたのです。
公的な機関で人を教えるお仕事に就いている方でした。
治療が延々と続き,賠償の問題はこじれにこじれていました。
入社2年目の私が引き継いだ折には既に数年が経過,解決はADRの場に委ねられていました。
財団法人交通事故紛争処理センターです。
引き継いだ際に思いました。
「こがな話は最初から債務不存在確認訴訟で戦っとりゃよかったんじゃ!
前任者はいたしいことしてくれたのう」(なぜか広島弁)
この「被害者」は「加害者」が追突した旨を告げなければクビが痛くなることはなかったでしょう。
23歳の私にとってADRを初体験できたことはよかったのかもしれません。
そして次の教訓を得たことが一番の収穫でしょう。
「いっぺん後手に回ったら二度と先手はとれんのじゃ!」
「仁義なき戦い 代理戦争」の広能昌三(文太さん)のセリフは真理なのです。
理不尽な要求に対しては最初が肝心というお話でした。