北朝鮮に中国とロシアー我が国の周辺には友好的な素晴らしい国が3つ。
我が国では防衛費をGDPの2パーセントに引き上げることになりました。
聞くところでは、装備は万全になるそうです。
しかし、装備だけ揃っても使えなければ、単なるコレクションに終わります。
映画「仁義なき戦い 頂上作戦」に興味深いやりとりがあります。
河西清(八名信夫さん)
「おやっさん、道具も揃いましたけん、ワシらに槇原殺(と)りに飛ばしてつかぁさい」
(訳 組長、武器の準備ができましたので、槇原組の組長を殺しに行きたいのですが)
広能昌三(文太さん)
「まあ、もうちぃっと様子みんかい。なんぼ敵でも山守はワシの元の親筋じゃけん、
こっちから殴り込むいうわけにもいかんじゃない」
このあとに広能が、自分の拳銃の撃針に不具合があるからと河西に修理を依頼。
河西は、「代わりに」と自分の拳銃を広能に持たせます。
その後、街中で槇原組の組員と遭遇して口論になった河西は、拳銃で相手を撃とうとしたものの
銃が作動せずに、槇原組組員に射殺されてしまうのです(この部分はナレーション)。
事後処理について広能は神戸から応援に来ている岩井信一(辰兄ぃ)とやりあいます。
仇をとるという広能に岩井が自制を促したことによります。
「現にワシがカッコつけちょったけん、清が殺(と)られとるんど!」
装備は揃ったものの、親筋に対して殴り込みは出来ないというようなルールに縛られた結果、
1人の若者を喪った広能はそれを悔いるのです。
どうでしょうか?
「ワシらも道具は揃うたんじゃが、平和憲法があるけん、いくら防衛のためじゃいうても
敵地に先制攻撃はできゃせんよ」
といっているうちに殺(と)られてしまったのでは、道具におカネをかけた意味がありません。
少なくとも「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼」できる状況ではありません。
国際社会にも仁義などないのです。
2パーセントで騒ぐ以上に本気で考えるべき時でしょう。
★ 左が八名信夫さん 右手前でぼやっとした映りになっているのは黒沢年男さん
八名さんが文太さんに代りの拳銃を渡すシーンです。
脚本では八名さんが銃弾を浴びて死んでいく姿が描かれています。
八名さんにとって「見せ場」だったと思うのですが、映画ではナレーションで死亡したと述べるだけになりました。