私は、学生時代にアルバイトをしたことがあります。
別段珍しくない話でしょう。寧ろ、しなかった人の方が珍種扱いかもしれません。
ただ、私の場合はせいぜいが1回2時間程度、週に1乃至2回しかしなかったのです。
長期にわたるアルバイトをしたことは一度もありません。
飲食店で何時間もアルバイトをする人がいますが、どうやって勉強時間を捻出するのか?
いまもって不思議に思います。
私の学生時代は、飲食店などのアルバイトは時給600円程度。
たった600円のために疲労度が大きい仕事をやっている人はスーパーマンだと思っていました。
私がやったアルバイトは時給1000~2000円の効率よく稼げて疲れない仕事です。
家庭教師、通信添削や試験採点など。
稼いだお金は本代などに使いました。
僅かな額をレジャーにも使いましたが、レジャーのために労働に勤しむことはありませんでした。
なぜか?
本を読むと疲れるのです。アルバイトどころではありません。
とはいえ、本は、図書館で読む以外には買うほかありません。おカネがいるわけです。
そうすると、疲れて読書の妨げになるような低賃金のアルバイトを選ぶ余地はないのです。
せっかく買った本を読めなければ意味がありませんので。
学生はアルバイトをせずに済むならしない方がよい。私は今でもそう思っています。
無論、学費を捻出しなければならない人は仕方がありませんが。
企業の採用面接をやっていると、アルバイト経験のアピールが非常に多く、苦笑させられました。
苦学生でもないのになぜ学業以上にアルバイトに力を注ぐのか?
得た報酬をどう使ったのか?
大学に進まずに、最初からその世界でバリバリ働くべきではなかったのか?
こういう突っ込みにしどろもどろになる人が多かったのです。
アルバイトでのちょっとした成功を、採用面接では「即戦力」と評価してもらえるという思惑でしょう。
この点からして大きな勘違いなのに、アルバイトアピールばかり聞かされました。
学生が自らを即戦力とみるー実は大胆過ぎる態度です。傲岸不遜といってもよいでしょう。
企業と学生の思惑のすれ違いは今日も続いているのでしょう。
尤も、採用を担当する側の人次第という面もありますが。
★ 企業の新卒採用は、高卒新人のドラフトみたいなものです。
だから即戦力ではなく、鍛えれば戦力になるだろうという期待値の高い人を探しています。
努力できるかどうか、その点がポイントです。
プロ野球の世界では高卒新人がいきなり凄まじい活躍をするケースがあります。
企業では新卒学生にそういう期待をしていることはありません。
アルバイト経験など「あ、そう」程度にしか聞いていないのが実情です。