先日、ある分野の研修をリモートで受講しました。
福岡県司法書士会の研修です。
内容は非常に基本的なもので、当該業務にこれから取り組む人を名宛人にしたもの。
私は既に経験している業務(今も受任中)でしたが、非常にためになりました。
それは話の内容が基本的な事項に終始したからです。
本に喩えれば、実務書の内容ではなく体系書のそれ。
条文を丁寧に示しながら進めるやり方は「これぞ研修」というものでした。
日常の研修プログラムの多くは実務に関するもの。
今回は、実務の大前提である基本の理解に重きを置いたもので、
こういう研修こそもっと行われるべきでしょう。
レジュメもアウトラインを述べる程度のもので、詳し過ぎる講義録みたいになっていません。
聴講する側が中身を補う仕組みに近いものでした。
参考文献として掲げられたものも体系書など学者の手によるもの。
面白かったのは、ページ数が非常に多い体系書を挙げ
「興味がある人はこの本に挑戦してみてください」
という講師の発言です。
受講生である司法書士が、その種の本を読んでいないことが前提になっていました。
そうだとすれば、やはり法律家たる学識は十分ではないような(笑)。
なお、この先生には私が所属するADRセンター運営委員会主催の研修講師も依頼しています。
私が推した結果ですが、今回の研修を聴講し、推薦してよかったと心から思いました。
★ ページ数の多さで特に挙げるとすれば、この本かな、と思います。
上下2巻で1600頁を超えます。
海外ではどんなに分厚くても1冊にするのに、我が国では分冊が主流。
この辺は文化の違いでしょうか。
なお、研修で挙がった体系書はこの本ではありません。