気温が下がってきたので、豚汁を作りました。
妻は豚汁が好物です。
里芋、牛蒡、人参、白ネギ、蒟蒻に豚のバラ肉を胡麻油で炒めます。
味付けは一番だしをひいて、それに少量の生姜とニンニクのすりおろし。
そして、当然に味噌。
平成のKOキングと呼ばれた坂本博之選手も豚汁が大好物とのこと。
ただ、それには悲しいエピソードがあるのです。
田川郡川崎町で生まれた坂本選手。
幼い頃に両親が離婚し、鞍手の乳児園や大任町の養護施設で育ちます。
その後、母と暮らした後に親戚に預けられた坂本選手。
そこで食事を与えられず、殴り続けられるという虐待を受けています。
学校給食だけが頼り。時間があれば、弟さんとザリガニを捕まえて食べたとか。
もっとひどい経験もしているそうです。
その坂本選手が和白青松園に救われます。
そこで初めて食べた豚汁。
人の愛を感じたそうです。
坂本選手は、豚汁を永らく「ブラジル」だと思い込んでいたとか。
ユーモラスな話ですが、その裏には壮絶な幼少期が隠されていました。
虐待は身体的な外傷を伴うものだけではありません。
精神的に抑圧し逆らえないようにしたり、罵って心を傷つける虐待もあります。
私が法定後見関連業務や債務整理業務で関わる方々にもそういう厳しい経験をされた方が。
そういうときに、私は坂本選手を思い出します。
そして、
「これからこの人に『ブラジル』を感じてもらえるように」
と考えるのです。