9月だったと思います。
近所の奥さんに言われました。
「高橋さん、最近、時々仕事をしているでしょう?」
「ええ、たまにね」
と笑って応えました。
「スーツ姿をたまにおみかけしますよ」
そういうことか。
つまり、その奥さんは、スーツ姿だと仕事をしている、
そうでなければヒマをもてあましている。
こういう感覚で捉えていたのです。
しかし、よく考えていただきたいのは、常にその奥さんが私を観察できるわけではないこと。
たまたまスーツ姿をみかけたことがあるーくらいの話なのです。
ところが、人の認識の仕方は面白いのです。
Tシャツ姿の私と公園付近で会って立ち話をする機会の方が多い。
だから、それが私の日常のスタイル。
つまり、私は「Tシャツ姿で公園にいる人」なのです。
スーツ姿の私をみる機会は少なく、それは異次元の世界にいる私。
そして、Tシャツ姿は仕事をしていない人。
スーツ姿は仕事にいそしんでいる人。
こういう固定化した印象がそこに重なります。
すぐにそれを感じた私です。
あえて、「ええ、たまにね」と応えた次第です。
実際は、Tシャツ姿のときの方が、部屋に籠って懸命に書類を作っている時間。
スーツ姿の場合は、ちょっと依頼人や関係者と会って話をしてくる程度。
取材や仕込みをちょこちょこっとやって書類作成の準備をする時間です。
夏だと、Tシャツ姿のときの私が一番働いています。
冬はラガーシャツやセーター姿。
そして、疲れると息抜きに公園を散歩する。
その散歩はグリュン君の巡回への随行も兼ねています。
「時々仕事をしているでしょう?」
たしかに、時々は仕事をしているようにみせることも大事かもしれません。
★ ベルンハルト・グリュンは仕事をしていないようで・・・結構やっているのです。
庭を警備して侵入者を追い払ったり、シングルマザー猫を訪ねて生活状況を確認したり。