忖度や更迭といった言葉が正しく使われていない。
このことは既にブログで指摘したとおりです。
最近、それをまたみせつけられました。
ウクライナの国防相の交代の報道です。
NHKは「事実上の更迭とみられます」と報じました。
それは当然「更迭」です。
更迭は交代の意味ですから。
しかし、上記の報道は「クビによる交代」を意味するようなニュアンス。
日本放送協会(の記者)ともあろう者がこの次元です。
それを堂々と放送してしまっては、世間に誤解が広まるのも無理からぬこと。
大揺れのジャニーズ事務所では藤島ジュリー景子社長が交代。
これを「更迭」とは報じませんでした。
記者とのやりとりの中で
「忖度をなくすのは難しい」
というような発言がありました。これは記者側からだったようです。
忖度という言葉は「配慮」の意味。
ところが、いつの間にか「すべきではない配慮」という意味にされてしまっています。
私たち司法書士は、依頼者の言葉や希望に十分忖度すべきだと思っていますが・・・
配慮という言葉に置き換えないといけないのでしょうか?
本来の意味を知らない人たちによって、言葉の意味が変容する。
なんともやりきれません。
上記のように言葉がヤバい状況です。
この「ヤバい」は、今風にいえば、反社の世界で使われていた言葉。
これを一般社会がとりいれて使っているのです。
コンプライアンスにうるさ過ぎる昨今、マスメディアは問題視しないのでしょうか?
それどころか、民放などでは堂々と「ヤバい!」というテロップが出るようです。
失笑を禁じ得ません。
小学生の時分から授業で英語を学ぶ時代です。
外国語を学ぶのも結構ですが、まずは日本語の正しい使い方を学んでは?
言葉を商売道具にしているマスメディアのレベルにそう感じないわけにはいきません。