私が初めて福島県に足を踏み入れたのは2002年のことでした。
訪れたのは矢祭町です。
当時の私は水戸に勤務しており、福島県までは近かったのです。
矢祭町は茨城県と接している南部の町。
非常に美しい田園風景に魅了されました。
平地でシータテハやミヤマセセリをみています。
いずれも九州では山地性、特にシータテハの分布は局所的。
植物もどこかやわらかな外見で、イネ科の雑草が雄々しい九州とは違っていました。
自然そのものが、はかなげな雰囲気だと感じたことを覚えています。
私はその日に福島ファンになってしまいました。
その後も何度か訪れています。
舗装された林道脇にヤマアジサイ、道路をノウサギが跳ねて行く。
ミズナラが木陰を作り、ギボウシが自生。
しかも、食べ物も抜群においしいのです。
まだ具体的に退職を計画していなかったので、次は福島勤務が・・・
と思うくらいでした。
2011年の原発事故で福島は甚大な被害を受けました。
福島ナンバーの車に乗っているだけで、嫌みを言われたという話を聞きました。
こういう心ないことをしてなにがうれしいのでしょう?
今回の処理水放出に関しても、一部の野党議員が「汚染水」と非難しました。
科学的根拠を伴わず、反政府の立場に利用しているだけ。
全国で支えるべき福島県なのに、こういう発言をするような連中は国賊でしょう。
残念ながら、私は関東を離れて以来、福島を訪れる機会がないままです。
けれど、私は魅了されたあの福島が今も健在であることを知っています。
折に触れて、福島産の農産物を買ったりしています。
支援という意味はあまりありません。
うまいからです。
今でもあの美しい福島の風景の中に身を置きたいーそう思うことはしばしばです。